2013/10/3(木)高知県立県民文化ホールにて、授賞式が開催されました。

公益社団法人日本ニュービジネス協議会連合会(略称JNB)では、第8回ニッポン新事業創出大賞の「企業部門」「アントレプレナー部門」  「支援部門」「復興賞」4部門の受賞者を決定いたしましたので、お知らせいたします。 

◆ 審査委員会 ◆ 

委員長   松田 修一   日本ベンチャー学会理事、早稲田大学名誉教授
委 員   各務 茂夫   東京大学教授(産学連携本部 事業化推進部長)
  同   今野 由梨   ダイヤル・サービス(株) 代表取締役社長
  同   長友 滋尊   公認会計士、長友公認会計士事務所所長
  同   野長瀬 裕二   山形大学教授 学術博士       
  同   吉田 總一郎  (株)吉田籐兵衛アンドカンパニー 代表取締役社長     
(五十音順)

*「企業部門」

本大賞の【企業部門】は、①商品・サービスの新規性、②新しいマーケットの創造、③経営手法の革新性、並びに、④事業の成長性・収益性・将来性、更には、⑤経済・社会・地域への貢献度、波及効果を審査し、受賞企業を選出致しました。

*「アントレプレナー部門」

本大賞の【アントレプレナー部門】は、企業部門の審査基準である、①事業の新規性・革新性、②事業の実績評価、③経済・社会・地域への貢献度、波及効果に加え、特に、アントレプレナーマインドが旺盛な経営者を審査し選出致しました。

*「支援部門」

本大賞の【支援部門】は、斬新な支援制度を構築・実施することで、新事業創出やその事業運営を長年支援して、著しい実績を上げた個人(グループを含む)を審査し選出致しました。

*「復興賞」

本大賞の【復興賞】は、2011.3.11の東日本大震災後、岩手県・宮城県・福島県の3県に会社本社や事業所等が存在し、地域の経営資源を活用し、雇用の創出に貢献した経営者を審査し選出致しました。

最優秀賞

<企業部門>

経済産業大臣賞
公益社団法人日本ニュービジネス協議会連合会会長賞

廣瀬製紙 株式会社
代表取締役社長  岡田 勝利 氏http://www.hirose-paper-mfg.co.jp/

<事業概要>
当社は「100%合成繊維の不織布を製造する技術」、「世界一薄い超薄葉不織布を製造する技術」を有する。これは、地合、均一性に優れた不織布を製造できることを意味する。この技術を活かして、濾過フィルター膜(RO膜、FO膜)の開発に取組む。求められる特性としては通気性があり、素材の地合、均一性が求められる。特にFO膜には薄さも求められ、対応できる技術を有するのは当社のみ。一方、製造工程である樹脂コーティング圧力に耐えうる、縦強度と横強度のバランスが求められるため、その技術開発を行う。

<受賞理由>
製紙会社からスタートした当社は、「100%合成繊維の不織布製造技術」を活かして、「機能性繊維による世界一薄い産業用(湿式)不織布の製造加工、並びに販売事業(濾過フィルター膜:RO膜、FO膜)の開発に成功した。伝統的な産業から、新たな事業に取り組み、日本のモノづくり企業の範となると同時に、地域の雇用を始め地域への多大な貢献を評価した。なお、今後のグローバル連携や消費財製品への進出などにさらなる新事業の拡大が期待される。

<アントレプレナー部門>

中小企業庁長官賞
公益社団法人日本ニュービジネス協議会連合会会長賞

愛知ドビー 株式会社
代表取締役社長 土方 邦裕 氏http://www.a-dobby.co.jp/

<事業概要>
密封性を極限まで高め、「無水調理」が可能な鋳物製ホーロー鍋「VERMICULAR(バーミキュラ)」の製造販売事業を実施 。鋳鉄が食材に与える効果(遠赤外線効果)に着目し、当社の有する「銑鉄鋳物および精密機械加工の製造技術」を活かした製品として、6年ほど前からホーロー鍋の開発に着手した。3年間の試作開発を経て、極限まで密閉性を高めた「無水調理」が可能な鋳物ホーロー鍋の開発に成功、「VERMICULAR」のブランド名で2010年2月より日本国内での販売を開始した。

<受賞理由>
下請け型メーカーの典型であったが、現社長は、「銑鉄鋳物および精密機械加工の製造技術」を活かした製品として、6年ほど前からホーロー鍋の開発に着手した。3年間の試作開発を経て、極限まで密閉性を高めた「無水調理」が可能な鋳物ホーロー鍋「VERMICULAR(バーミキュラ)」の開発に成功した。世界に類を見ないホーロー鍋は、高価であるが環境に優しく、栄養価を維持する鍋として、2010年消費者から圧倒的支持を受けた。百貨店でも予約待ちである。潜在化していた日本のモノづくり技術を、世界に通用する製品化・ブランド化に成功したこの活動を、高く評価し、世界のブランドとして日本のモノづくりのモデルになることを期待したい。


<受賞のポイント>
2008年12月より、「全国で個性溢れる起業家を発掘し、一人でも多くの人と、一社でも多くの公開会社を育てる」の理念のもとに、会費制によるインデペンデンツクラブを運営し、北海道から沖縄までの主要都市で年間50回超にわたり事業計画発表会を主催してきました。この間累計850社を、地方自治体、大学、証券会社、さらに知財やIPOの専門家、キャピタリストと共に育成してきました。クラブ運営と共に、月刊誌「THE INDEPENDENTS」の発行やベンチャー投資とハンズオン等ベンチャー支援の活動が、最優秀賞・「経済産業大臣賞」に最もふさわしいと評価いたしました。

<支援部門>

経済産業大臣賞
公益社団法人日本ニュービジネス協議会連合会会長賞

一般社団法人 TXアントレプレナーパートナーズ
代表理事   村井 勝 氏http://www.tepweb.jp/

<支援事業の特色>
TEPの会員は、支援を希望する個人起業家やベンチャー企業である「アントレプレナー会員」と、資金的支援ばかりでなく積極的な経営参画(経営指導や販路、人的資源の紹介など)も行う「エンジェル会員」、弁護士や会計士など専門的な知識で起業家やベンチャー企業を支援する「サポート会員」、TEPの組織運営を支える「スポンサー会員」により構成されている。
また、地域行政やインキュベーション施設、研究機関等により構成された「アドバイザリーボード」および「連携組織」との意見交換・連携を得て、総合的な観点で日々の創業支援活動を推進している。これにより、つくばエクスプレス沿線のポテンシャルを活かし、地域の大学、研究機関、行政、民間企業、個人支援者が連携し、地域に根差した持続可能なベンチャー支援の仕組みを構築することを目指している。

<支援概要>
<受賞理由>
1991年日本IBM(情報通信統括本部長)退任後、コンパック株式会社社長に就任中、外資系情報産業研究会会長、在日米国商工会議理事として、グローバルに活躍する起業家を個人的に支援してきた。2001年世界のアントレプレナーを顕彰するWEOYに日本代表を送り込むEOYJの発足に貢献し、初代審査委員長を務めた。さらに、2009年つくばエクスプレス(TX)沿線のポテンシャルを活かし、地域の大学、研究機関、行政、民間企業、個人支援者が連携する地域に根差した持続可能なベンチャー支援組織一般社団法人TXアントレプレナーパートナーズ(TEP)の立ち上げに協力し、その代表として国内外の起業家や支援機関との幅広い交流を牽引している。

優秀賞

<企業部門>

公益社団法人日本ニュービジネス協議会連合会会長賞

株式会社 宮防
代表取締役社長  村社 勝 氏http://www.miyabo.co.jp/

<事業概要>
環境改善をコンセプトに創設した新規事業部は、近年の地球温暖化による各業界への暑熱被害を調査し課題解決の提案を行っている。具体的には、畜舎・飼料タンクの温湿度上昇に関しては、当社の遮熱塗料「ファームバリア」の塗布により畜舎内温度が3℃抑制される効果が確認された。尚、生コン業界でも、特に夏季の輸送中に暑熱対策が必要であり、宮崎大学との共同研究を実施。生コン車ドラムに遮熱塗装を施すことにより生コン温度・スランプ改善が確認されており、現在全国37都府県に採用されている。

<企業部門>

公益社団法人日本ニュービジネス協議会連合会会長賞

株式会社 デコス
代表取締役   安成 信次  氏http://www.decos.co.jp/

<事業概要>
新聞紙をリサイクルしてつくる断熱材「デコスファイバー」と断熱欠損のない乾式吹込み工法の「デコスドライ工法」による断熱事業の販売方法をFC制度「デコスドライ工法施工代理店制度」とし、材工での責任施工を行うことで、断熱材メーカーでは日本初となる「壁体内無結露20年保証制度」を実施するビジネスモデルを構築している。2005年の自社工場設立と同時に、NPO法人「e小日本きくがわ」と協働した新聞紙の地域回収を開始し、地域通貨「エコロ」発行による地域循環システムを確立し、環境啓蒙活動も積極的に実践。

<アントレプレナー部門>

公益社団法人日本ニュービジネス協議会連合会会長賞

株式会社 TOSMO
代表取締役 小澤 茂雄 氏http://www.enebright.com/

<事業概要>
無電極方式の高効率照明「エネブライト」の製造販売事業。「エネブライト」は、工場、倉庫、街路灯、投光器等に使用されている水銀灯の省エネ代替、新規設置用途で使用でき、電極を持たず球切れしない。LEDより50%も寿命が長い6万時間の長寿命照明である。水銀灯400Wであれば、「エネブライト」の60W、あるいは100Wで代替え可能で「80%」もの省エネが可能。スイッチのON、OFFも瞬時可能で、必要時だけ点灯でき更なる節電を図られる。大型照明についてはLEDよりも「エネブライト」の方が価格や性能面で優勢。

<アントレプレナー部門>

公益社団法人日本ニュービジネス協議会連合会会長賞

アドバンスト・ソフトマテリアルズ 株式会社
代表取締役社長 原 豊 氏http://www.asmi.jp/

<事業概要>
耐傷性塗料「スライドリングマテリアル(SRM)」の製品実用化を達成する過程で蓄積されてきた「大量合成技術」「コスト低減技術」を更に発展させた製品「SeRMシリーズ」を発売し、「高機能弾性樹脂」「樹脂添加剤」としての用途拡大、最終製品化を実現する。

<支援部門>

公益社団法人日本ニュービジネス協議会連合会会長賞

富士市産業支援センターf-Biz
センター長  小出 宗昭 氏http://www.f-biz.jp/index.html

<支援事業の特色>
富士市産業支援センターf-Bizは全国的にも類のない公設・完全民間企業運営による中小企業支援施設である。金融機関出身の小出氏がセンター長を務め、コピーライターであり中小企業診断士の副センター長のほか、大手百貨店で20年以上勤めた経歴を持つ税理士などといった専門的な知識を持つプロフェッショナル達の集団が、ハイレベルなビジネスコンサルティング業務をチームとして提供している。

<支援概要>
<受賞理由>
株式会社静岡銀行に在任中、2001年「SOHOしずおか」に出向し、インキュベーションマネージャーに就任。その後、静岡市産学交流センター支援スタッフリーダー兼務、「はままつ産業創造センター」に出向した。2008年株式会社静岡銀行退職後、株式会社イドムを創業し、富士市産業支援センターf-Bizの事業運営を受託し、センター長に就任し、富士市の相談案件への対応並びに施設運営全体を統括している。f-Bizは全国を見ても類のない公設・完全民間企業運営による中小企業支援施設で、専門的な知識を持つプロフェッショナル達の集団がタッグを組んで、日々ハイレベルなビジネスコンサルティング業務をチームとして提供している。

特別賞

<企業部門>

公益社団法人日本ニュービジネス協議会連合会会長賞

ニチレイマグネット 株式会社
代表取締役  前橋 清 氏http://www.nichilaymagnet.co.jp/

<事業概要>
「マグウォールシステムR」は、建築・構築物のあらゆるパターンスペースの壁・面に磁気吸着固定機能(磁石→シート・焼結等と鋼板・磁性壁紙)を最大限駆使する仕組により、広域分野(教育・生活・仕事・医療・環境等)で役立つもの。建築物の壁面又は柱面下地に強力マグネシート「マグベースRシート」を貼り、その上にインクジェットで印刷ができる磁性シート「メタリーRシート」の貼り付け(重ね張り)が出来、あらゆる壁装・店装・リフォーム・賃貸・インテリア業界で利用可能。

<企業部門>

公益社団法人日本ニュービジネス協議会連合会会長賞

レグルス 株式会社
代表取締役   三木 信明 氏http://www.regulusu.co.jp/

<事業概要>
植物工場用のLED照明の開発を進めるなかで、LED光による植物の栽培技術の開発を進めた。今後の植物工場はレタス等の葉野菜でなく、高収益が見込める植物のLED光による栽培技術が求められているため、特にイチゴのLED光での効率栽培技術の開発を行っており、立体栽培システムの開発との併用で省スペースでのイチゴ効率大量栽培を実現させた。

<企業部門>

公益社団法人日本ニュービジネス協議会連合会会長賞

株式会社 片野工業
代表取締役 片野 明夫 氏http://www.katano.co.jp/

<事業概要>
除菌消臭を目的とした「イオン風発生新技術」を独学で研究開発、特許登録に至る。知財を活かした技術開発と「エアーサクセスシリーズ」の製造販売を実現し、更にグローバル事業化を実践している。
特許登録国 ⇒ 【日本】・【米国】・【中国】・【韓国】
審査請求国 ⇒ 【EU諸国】・【インド】・【タイ】・【ベトナム】・【インドネシア】
2013年5月 特許出願番号2013-100920 ・早期審査請求済(イオン・オゾン風発生装置/小型強力技術)

<アントレプレナー部門>

公益社団法人日本ニュービジネス協議会連合会会長賞

株式会社 ネオナイト
代表取締役 寺山 文久 氏http://www.neonite.jp/

<事業概要>
当社の新事業は除染剤「ネオナイトCS」を使用した「環境負荷低減型除染・廃炉・再生可能エネルギービジネス」である。 例えば、「汚染状況充填調査地域」に指定された東北・関東地方の8県102市町村では、国からの財政支援を受けて、公共施設や住宅の除染を行っている。当社は、除染によって発生する汚染水や土砂を除染する為に除染剤「ネオナイトCS」の販売や汚染水処理プラント「ネオナイトクリーナー」のレンタルを実施している。

<アントレプレナー部門>

公益社団法人日本ニュービジネス協議会連合会会長賞

株式会社 アムリット.DC
代表取締役 黒田 展弘 氏https://amrit-dc.co.jp/

<事業概要>
この新事業は、「高齢ペットの飼い主のそばに寄り添い、ペットの長生きに共に取り組む」ペットの長生き支援事業である。顧客を「高齢ペットの飼い主」に特化したペット用品の通信販売事業を展開。浅く広くの戦略ではなく、絞り込んだ顧客に深いサービスを提供している。また、商品配送時に顧客に手書きのお手紙を添える「アナログ式顧客サービス」を実践。さらに、2013年1月に(一社)日本ペットロスケア協会を立ち上げ、「命について」の講演開催などを通じて、大切な家族(ペット)を亡くした方へのケアを行っている。

復興賞

スモリ工業 株式会社
代表取締役社長  須森 明 氏http://sumori.jp/

<事業概要>
高性能住宅を低コストで建築できる総合システム「山からの家造り」を事業化している。  ①林業産地の加工工場が施工職人を現場に派遣して直接建築まで実施。  ②現場での加工を排除するため、林業産地の手取りは通常の300%。 ③林業産地からの長期に亘る安定的な購買(全て現金としてコストダウン)          ④工事監督、販売を通じ生産性向上。平成24年度社員数75名程で年間285棟の引渡。(通常の倍と想定)    ⑤技術は多岐、他特許多数。    ⑥無償で技術を公開。

<受賞理由>
仙台に本拠地を置く、地産地消の住宅建設業であり、高性能住宅を低コストで建築できる総合システム「山からの家造り」を事業化している。林業産地の加工工場の自律を目指し、次のような特性を有している。①加工工場が施工職人を現場に派遣して直接建築まで実施。②現場での加工を排除するため、林業産地の手取りは通常の3倍。③林業産地からの長期に亘る安定的な購買。④工事監督、販売を通じ生産性向上。⑤技術は多岐にわたるが、無償で技術を公開。このような仕組みで建設した住宅は、東日本大震災時にも、倒壊しなかったものが多く、復興地域住宅として期待されている。