2026年10月29日(木)「第22回JNB新事業創出全国フォーラム in 神奈川 2026」にて授賞式を開催致しました。

公益社団法人日本ニュービジネス協議会連合会(略称JNB)では、第21回ニッポン新事業創出大賞の「アントレプレナー部門」「支援部門」における”最優秀賞””優秀賞””特別賞”及び、”地方創生賞”の受賞者を決定しましたので、お知らせ致します。

審査委員会 

委員長 長谷川 博和  JNB副会長/早稲田大学ビジネススクール教授
委 員 石井 芳明     独立行政法人中小企業基盤整備機構 創業・スタートアップ支援部長
 同  各務 茂夫     開志専門職大学 学長・教授/東京大学 特命教授 
 同  黒田 達也     事業創造大学院大学 学長・教授
 同  吉井 信隆     JNB副会長/インターウォーズ㈱ 代表取締役社長
(五十音順)

最優秀賞

<アントレプレナー部門>

経済産業大臣賞
公益社団法人日本ニュービジネス協議会連合会会長賞 

Biodata Bank株式会社 代表取締役 安才 武志
https://biodatabank.co.jp/

<事業概要>
Biodata Bank株式会社は、独自の生体データ解析技術を活用した熱中症対策ウェアラブルデバイス「熱中対策ウォッチ カナリア Plus」を開発・提供している。熱中症は気候変動の影響により世界的な社会課題となっており、とりわけ高温多湿な日本では深刻な労働災害や健康被害の要因となっている。当社は、体表から深部体温の変化を推定し、危険な状態に近づくと利用者本人へ通知することで、早期の休憩や水分補給などの予防行動を促す仕組みを実現した。建設、製造、物流、電力、警察、消防、自衛隊、学校、高齢者施設など幅広い現場で活用されており、日本で培われた熱中症対策技術を欧州を中心に海外へ展開しながら、人々の安全と健康を守る社会インフラの構築を目指している。

<受賞のポイント>
気候変動により深刻化する熱中症という社会課題に対し、体表から深部体温の変化を推定する独自技術を開発し、個人単位で危険を知らせる「熱中対策ウォッチ カナリア Plus」を実用化した点を高く評価する。充電や通信インフラに依存しない低コスト設計により、建設、製造、物流、電力、公共機関等への普及を実現し、累計販売台数200万台を突破するなど、新たな熱中症対策ウェアラブル市場を創出した。さらに黒字化を達成し、社会課題の解決と事業性を両立するとともに、フランスを拠点に欧州展開も進めている。今後、蓄積した生体データを活用し、熱中症対策にとどまらず、人々の健康と安全を支えるデータプラットフォームへ発展する可能性を高く評価する。経済産業大臣賞が妥当であると判断する。


<アントレプレナー部門>

中小企業庁長官賞
公益社団法人日本ニュービジネス協議会連合会会長賞 

Orbray株式会社 代表取締役社長 並木 里也子
https://orbray.com/

<事業概要>
①人工ダイヤモンド基板の生成・加工事業(世界で最も大きい人工ダイヤ基板)⇒独自の人工ダイヤ生成技術を保有(ヘテロエピタキシャルなど)、世界で最も大きい人工ダイヤ基板の生成・加工が可能。2022年に直径2インチ、2025年に3インチの人工ダイヤ基板の量産技術開発に成功、2025年には世界最大の高品質(111)基板の開発にも成功。2024年6月に人工ダイヤ世界最大手エレメントシックス社とのアライアンスを締結し、人工ダイヤ基板の開発・量産を加速させる計画。量子コンピューター・放射線センサー・通信衛星・EV・6Gなどへの用途を検討
②新素材基板の生成・加工事業⇒酸化ガリウム・窒化ガリウム・窒化アルミ・サファイアなど新素材基板の生成・加工は、パワー半導体・EV・LED・LDなど様々な用途への拡大が期待

<受賞のポイント>
独自の人工ダイヤ生成技術を保有し、世界で最も大きい人工ダイヤ基板の生成・加工が可能である。2022年に直径2インチ、2025年に3インチの人工ダイヤ基板の量産技術開発に成功、2025年には世界最大の高品質基板の開発にも成功している。2024年6月に人工ダイヤ世界最大手エレメントシックス社とのアライアンスを締結し、人工ダイヤ基板の開発・量産を加速させる計画である。量子コンピューター・放射線センサー・通信衛星・EV・6Gなどへの用途を検討している。将来の成長性を高く評価するとともに、2026 年秋田県湯沢市に本社移転及び新本社建設を計画しており、地方創生の側面からも中小企業長官賞が妥当であると判断する。


<アントレプレナー部門>

独立行政法人中小企業基盤整備機構理事長賞
公益社団法人日本ニュービジネス協議会連合会会長賞 

株式会社すむたす 代表取締役 角 高広
https://sumutasu.co.jp/

<事業概要>
・不動産のAI査定と直接買取により、売却の「不確実性・手間」を排除した、ストレスの少ない売却体験を提供
・中間業者を介さない「消費者直接取引(CtoBtoC)」モデルを日本で初めて確立
・AI活用により最短1時間での価格提示と最短2日での現金化を実現し、従来の「いつ、いくらで売れるかわからない」不安を解消
・買い取った物件をリノベーションし、新築に代わり安価で良質な住宅として再生
・「仲介手数料無料」での直接販売により、コストを抑えたい層へ現実的なマイホーム購入の選択肢を提供
・「顧客志向を持った人材に厳選した採用」「ノルマ・インセンティブの排除による、お客様に徹底的に寄り添う組織文化の醸成」等、社員がお客様を最も重視して行動できる組織づくりを実施

<受賞のポイント>
不動産売却における「いつ、いくらで売れるかわからない」という不確実性や煩雑さに着目し、AI査定と直接買取を組み合わせた独自のCtoBtoCモデルを日本で初めて確立した点を高く評価する。AI活用により最短1時間での価格提示、最短2日での現金化を実現するとともに、買い取った物件をリノベーションし、仲介手数料無料で直接販売することで、良質な住宅を手頃な価格で提供している。また、ノルマやインセンティブに依存せず、顧客志向を徹底した組織文化を構築している点も特筆される。2018年の創業以来、首都圏から関西・中部へと着実に事業を拡大しており、IPOを見据えた今後の地域、物件種別、サービス領域のさらなる拡大も期待される。中小企業基盤整備機構理事長賞が妥当であると判断する。

地方創生賞

<アントレプレナー部門>

地方創生賞

アイラト株式会社 代表取締役創業者 角谷 倫之
https://airato.jp/

<事業概要>
外科手術等と並ぶがん三大治療において、主流となりつつある高度放射線治療「IMRT」の治療計画AI支援ソフトの研究・開発です。 IMRTはがん制御率を従来の約70%から95%へ飛躍させる画期的な治療ですが、計画立案には極めて高度な専門知識と6時間以上の膨大な準備時間を要します。このため「属人的な品質のばらつき」と「長時間の業務負荷」が大きな課題であり、地方での実施困難など医療格差を生んでいました。 当社AIは、この品質と準備時間の問題を一挙に解決します。熟練者の技術を再現する機能と安全性の自動検証機能により、作成時間を約30分に短縮。全国どの施設でも最高品質の治療計画立案を可能にしました。国内初の高度管理医療機器プログラム承認を取得し、治療品質の均てん化と過重労働解消を実現します。

<受賞のポイント>
高度放射線治療IMRTにおいて、熟練者に依存していた治療計画を独自AIにより自動化し、約6時間を要した作成時間を約30分へ大幅に短縮した点を高く評価する。代表が長年培った医学物理・AI研究の知見と、国内トップ医療施設から得た質の高い臨床データを基盤に、治療計画の高品質化と安全性の自動検証を実現している。国内初の高度管理医療機器プログラム承認を取得し、専門人材が不足する地方病院でも高度な放射線治療を提供できる可能性を拓いた点も意義深い。医療従事者の業務負担軽減と病院経営への貢献を両立し、今後さらに治療計画の高速化・高度化を進め、アジア、米国へ展開することで、世界のがん治療の質向上と医療格差の解消に貢献することを期待する。宮城県仙台市に本社を置く東北大学医療AIスタートアップでもあり、地方創生賞が妥当であると判断する。


<アントレプレナー部門>

地方創生賞

アルム株式会社 代表取締役 平山 京幸
https://arumcode.com/

<事業概要>
「TTMC」は、アルム株式会社が開発した完全自動切削加工機を核とする製造DX事業である。熟練技能者の暗黙知をデジタル化した独自AI「TTMC Brain」を搭載し、見積作成から段取り・加工までの工程を一気通貫で自動化することで、人手に依存しない高精度加工と長時間無人稼働を実現する。さらにクラウド連携により複数設備の統合管理と加工データの蓄積・活用を行い、導入拡大に伴い生産性と品質が向上する製造ネットワークの構築を推進する。

<受賞のポイント>
熟練技能者の経験や勘に依存してきた切削加工に対し、暗黙知をデジタル化した独自AI「TTMC Brain」を搭載し、見積作成から段取り、加工まで全12工程の自動化を実現した点を高く評価する。加工剛性、熱変位、工具摩耗等をリアルタイムに解析することで、高精度加工と長時間の無人稼働を可能とし、人手不足や技能継承という製造業の構造的課題に実践的な解決策を提示している。さらに、クラウドを通じて複数設備の加工データを蓄積・活用し、導入拡大とともに生産性・品質が向上する製造ネットワークへの発展も期待される。石川県金沢市を拠点に、AIと自動化技術によって地方から日本の製造業DXを牽引する企業として、その革新性と将来性を高く評価する。地方創生賞が妥当であると判断する。

優秀賞

<アントレプレナー部門>

優秀賞                                                                                      

株式会社Acompany 代表取締役CEO 高橋 亮祐
https://www.acompany.tech/

<事業概要>
Confidential AI Suiteは、Acompanyの強みであるConfidential Computing(秘密計算/TEE)を核とした企業向けAI製品ブランドです。第一弾「セキュアチャット」は、生成AIの「機密データ入力禁止」問題を解決する企業向けAIチャットです。複数の最新AIモデルを一画面で利用でき、入力情報をハードウェアで隔離した秘密環境で処理します。Acompanyを含む外部は一切閲覧できず、個人情報の自動検知・無害化や利用ログ可視化も備えます。第二弾「セキュアコード」は、機密ソースコードを外部送信せずAIコーディングを行うことができる開発者向けエージェントです。秘密環境内でLLM推論を行うことで、製造業・防衛・金融など知財保護が厳しい現場でもAI開発を可能にします。

<受賞のポイント>
生成AI活用における機密情報漏洩の課題に対し、Confidential Computing(秘密計算)を活用し、データを秘匿したままAI処理を可能とした点を高く評価する。運用ルールに頼らず、AI提供者等も処理内容を閲覧できない仕組みを構築し、金融、製造、防衛等でも安全なAI活用を可能とした。チャットやコーディングを起点に製品群を拡充し、企業の安全なAI活用を支える共通基盤として、グローバル市場への展開が期待される。優秀賞が妥当であると判断する。


<アントレプレナー部門>

優秀賞                                                                                      

OYASAI株式会社 代表取締役 國村 隼太
https://oyasai-japan.jp/

<事業概要>
2025年10月始動の本事業は、都市の空きスペースを収益化する世界最小の分散型・業務用水耕栽培ユニット「OYASAI FARM」を展開するオンサイト農業である。
【根拠】従来の植物工場と異なり初期投資を低減し、月維持費千円〜4千円の圧倒的低コストを実現。専門知識不要で1日わずかな工数でプロ品質の野菜が栽培できる。
【具体案】「できたものを運ぶ」から「目の前で育てる体験」へ転換し、丸亀製麺やリッツカールトン等の大手へ導入。栽培制御データと種・液肥の定期配送によるストックビジネスを構築。都市の地産地消と脱炭素、店舗の収益化と顧客体験向上を同時に達成する。【解釈】配送ロスゼロの農園を街へインストールし、都市農業の新しい形を創る。

<受賞のポイント>
都市の未利用スペースを活用し、世界最小クラスの分散型・業務用水耕栽培ユニット「OYASAI FARM」により、野菜を「運ぶ」から「消費地で育てる」へ転換した点を高く評価する。従来の大型植物工場に比べ初期投資と維持費を大幅に抑え、独自の栽培データを活用することで、専門知識がなくても少ない工数で高品質な野菜の栽培を可能とした。既に大手飲食・ホテル等への導入を進め、物流・廃棄ロスの削減と顧客体験の向上を両立している。さらに、種子・液肥の定期配送や遠隔支援による継続収益モデルを構築しており、今後、国内外へ展開することで、都市の地産地消、食料自給率の向上、脱炭素に貢献する新たな分散型食料インフラへ発展する可能性を高く評価する。優秀賞が妥当であると判断する。

特別賞

<アントレプレナー部門>

特別賞   

株式会社AquaFusion 代表取締役社長・CEO 松尾 行雄
https://aquafusion.jp

<事業概要>
AquaFusionは従来にない水中可視化技術を用い、高速送信可能な個々の魚を検知可能な高精度魚群探知機や生簀内の尾数カウントする養殖用センサを開発してきた。2021年にセンサ事業を立ち上げ、自律型無人潜水機AUVや水中ドローン向けの障害物検知センサを開発を開始した。自律的に自動航行するためには、衝突を回避するために障害物検知センサが必要不可欠であったが、陸上におけるLiDARのようなセンサ技術は未発展であった。陸上に比べて、水中においてはカメラやレーザーに到達距離の限界があった。これに比べて、超音波は魚探として利用されているように長距離からのエコーを計測できる。この超音波の水中での利便性と、新しい水中可視化アルゴリズムを導入したセンサ「DolphinScan」を新事業の柱として立ち上げた。

<受賞のポイント>
超音波と独自の水中可視化アルゴリズムを融合し、従来困難であった水中での高精度な障害物検知を実現した「DolphinScan」を高く評価する。AUVや水中ドローンの「眼」として、漁網等をリアルタイムで検知し、安全な自律航行を可能とした。今後は船舶の座礁防止、AIによる物体識別、高精細な海底マッピングなどへの応用も計画しており、水中モビリティを支える基盤技術として大きな発展が期待される。特別賞が妥当であると判断する。


<アントレプレナー部門>

特別賞   

株式会社PXP 代表取締役 栗谷川 悟
https://pxpco.jp/

<事業概要>
当社の主力製品である「カルコパイライト型太陽電池」は、ソーラーフロンティア(株)の研究所で1993年度より開発されてきた技術であり、この技術をベースに当社が新たに軽量性・フレキシブル性を与えて生まれ変わらせた太陽電池である。既にパイロットラインにおいてプロトタイプを開発済みであり、2027年3月には量産実証工場(マザー工場)を開設し、本格量産に向けた生産体制の確立と、2030年度までのIPO実現に向けたロードマップの具体化を図る考えである。当社ではカルコパイライト型太陽電池とペロブスカイト型太陽電池を組み合わせた「タンデム型太陽電池」の研究開発もおこなっており、吸収する光の層が異なる太陽電池を組み合わせることで変換効率の大幅向上が期待される。2028年度以降はタンデム型の量産も予定している。

<受賞のポイント>
長年蓄積されたカルコパイライト型太陽電池技術を基盤に、軽量・フレキシブルかつ低コスト・高耐久な次世代太陽電池へ進化させた点を高く評価する。既にプロトタイプ開発と実証を進め、1GW規模の潜在需要も確認している。2027年の量産開始に加え、ペロブスカイトとのタンデム型による高効率化も計画しており、再生可能エネルギーの普及を支える技術として大きな成長が期待される。特別賞が妥当であると判断する。


<支援部門>

特別賞   

開志専門職大学
https://kaishi-pu.ac.jp/

<事業概要>
本学は、地域発の起業家創出プラットフォームとなる新潟若者ビジネスアイデアコンテスト「Open Gate NIIGATA」の企画・運営の中核を担い、新潟県内の主要地域や自治体・企業や金融機関と連携して若者の挑戦を支援しています。「Open Gate NIIGATA」は毎年30%増の規模拡大を推進するとともに、学内の「起業家道場」や「開志ファンド」を通じた実践的な起業家教育を推進し、在学中の起業や総額1億円超の資金調達を達成した第1号ベンチャー(株式会社LacuS)を輩出しました。産学官一体となったアントレプレナーシップ人材の育成とスタートアップ・エコシステムの構築に尽力しております。

<受賞のポイント>
新潟県内の高校生・大学生・専門学校生を対象に、「ALL NIIGATA」を掲げたビジネスアイデアコンテスト「Open Gate NIIGATA」を中核となって企画・運営し、若者のアントレプレナーシップ醸成に取り組んでいる点を高く評価する。県内各地で予選を開催し、自治体、大学、企業、若手起業家等を幅広く巻き込み、応募数も着実に増加するなど、一大学のイベントから新潟全県を挙げた運動へと発展させている。さらに「起業家道場」による継続的な事業創出支援に加え、高校での探究学習を評価する県内初の「探究入試制度」を導入した。高校段階から若者の挑戦を促し、発掘・育成・事業創出へとつなげる地域一体型の起業家育成エコシステムを構築している点を高く評価する。特別賞が妥当であると判断する。